エリートな彼に甘く奪われました
パタン。

玄関のドアが閉まると同時に唇を強く押し付ける。

彼女が息苦しそうに口を開く。

それを感じてそっと唇を離して愛の目を覗き込む。

「愛、大丈夫?
会社で色々あった?」

愛はとろりとした表情で目を潤ませながらニコリと笑った。

「ううん、何もないわ。ただ…、寂しかっただけ。遼に会いたかった…」

気丈に振る舞う彼女が切なくて愛しくて、痛々しい。

「どうすればいい?君を、寂しがらせて…」

辛い事を呑み込んで俺に不満も言わずにいる愛。

彼女はこれからも俺の側にいてくれるのだろうか。

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