エリートな彼に甘く奪われました
彼の透き通った目が私の心の中を探る様に揺れている。

………。何て綺麗なの。

私は彼の問いかけにも答えず改めて久々に見る遼の美しさに引き込まれていた。

彼の乱れ落ちた前髪にそっと触れる。

軽くどけるとシャラッとまた元の位置に戻った。

「愛?」

不思議そうに眉をひそめて遼が再び口を開いた。

彼の両頬に軽く手を添えてその艶やかな薄い唇にそっとキスをする。

彼の茶色の瞳がそっと閉じられ私のしたい様に合わせてくれる。

…仕方がないわ。誰に妬まれたって。

だって彼はこんなに魅力的なんだもの。

本当ならば私が独り占めできるはずのない人だもの。





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