エリートな彼に甘く奪われました
やっと、会えた。

俺がニコリと微笑んで軽く会釈すると、彼女もそれにつられて笑顔で返してくれた。

たったそれだけの事でドキッと胸が鳴る。

………やべぇ、かわいい…。


ぼんやりしていると、

「浅香さんっ、飲みましょっ」

森山はビール瓶を二本、ドンッと俺の目の前に置くと無理矢理俺の横のわずかに空いた隙間に割り込んできた。

…うっ、また来たよ…。
しかも酒臭い…。

「何、もう出来上がってんの、早くね?」

と言うと、

「えへへ、色っぽくなっちゃって、すみませぇん」

そう言いながら森山は腕を絡ませてきた。

「………。」

俺は返す言葉がなかった。


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