エリートな彼に甘く奪われました
おいおい、森山…。

ところで、本気じゃないだって?

なぜ、信じないんだ。

確かにここに君への気持ちがあるのに。

痛いほど体中を駆け巡っているのに。


「何で、何で俺が本気じゃないって思うの?
君に何度言えば信じてもらえるの?
俺は、君の身体よりも心が欲しい……」

そう言って彼女の身体をグイッと引き離す。

自分から離れていく事が今になって出来るなんて、自分でも驚いた。

俺もただのケダモノではないらしい。

彼女に信じてもらえない事が腹立たしく、ただ悲しい。


「だ…だって、浅香さんは、みんなが憧れてて、いつも、素敵で、私なんかが、たとえ好きになっても釣り合わないって、思うから……。
今、こうしていても、きっと今だけだって…、だったら、せめて、今だけでも私だけを見て、感じて欲しいんです…。」



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