Sky heart
ほぼ腕力だけでフェンスをよじ登る。
無我夢中だった。
この世界に、アンタはいてはいけない人間なんだよ。
そう囁かれた気がした。
笑いながら、あたしの名前を呼びながら。
脳に響くその声は、予想以上に気持ち悪くて吐きそうになった。
あたしは1人。
この先、ずっと。
全てに絶望した。
変わることのない未来に、希望は持たない方がいい。
気づいてしまった運命に、逆らわない方がいい。
時という名のものに身を任せて生きる、なんてそんなことはできない。
もうやめたんだ。
もう、諦めるんだ。
あたしに〝未来〟はない。