プラトニック・ラブ
「ありがとね、美沙」
あたしがそう言って微笑むと、情けない顔をする美沙は、
「瑠璃ちゃんが退学していなくなったら、学校行かないからね…っ」
なんて言い出したもんだから焦った。
それはダメでしょう。
見つからない自信はある。
あたしだって馬鹿じゃない。
見つからないようにバイト場所は遠くにするとか、いろいろ作戦は練ってある。
泣き出しそうな美沙の頭を優しく笑いながら撫で、自身満々な表情で微笑みかける。
「大丈夫だって! バレない自信あるよ!」
そう言って、逞しく腕を曲げて力コブ―――にはなりそうにない力コブを見せ付けてみたりした。
それを見た美沙は薄く涙を浮かべたままだったけれど、穏やかな笑顔で微笑んだ。
やっぱり人間は笑っている方が断然いい、と、ほとんどの人間が思うことを改めて思った。