プラトニック・ラブ




いきなりのことに間抜けな声が出た。


あたしは顔を少し深谷の方に向ける。



深谷は一瞬あたしをチラっと見ると、



「ここが一番安全なんだよ。 俺の隠れ家的な」



そう言って本棚に背中を預ける。



どうやらあたしが気持ち悪がっているように見えたらしい。


…確かに「近い」とか言って壁に張り付いていたらそう見えるよな。



申し訳ないことをしてしまった。


確かにここは本棚と本棚によって死角になっているから見付かり難いと思う。



「…平気」



「ん?」



「…別に…見つからなきゃいいだけだし」



「そうだな」



「うん…だから平気」



本当の本当は平気なんかじゃない。


このままだと心臓が口から飛び出すんじゃないかとハラハラしてしょうがない。



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