プラトニック・ラブ




迅の匂いがあたしを包む。


どうしてか分からないけど、この匂いは安心することができる。



そこであたしはハっとして、慌てて迅の上着をソファに投げつけた。


やべっと思って慌てて上着を取りに行くと、綺麗にたたんでソファの上に置いた。



と。


同時にまたまた鳴りだす音。


電話みたいな音だったらビビらないのに、このピルルルルッって音は恐怖を運んでくるのはなぜだろう。



「な…何の音…?」



ゆっくりと周囲を見渡す。


するとドアの方で何かがチカチカ光っていることに気づいた。


部屋が暗いせいでその奇妙に点滅する赤いランプが少し怖いけど、恐る恐る近寄ってみることにした。



「…電話?」



壁に電話のような物がくっ付いている。


普通こんなところに電話なんて設置しないから内線と予想できる。



音は未だ鳴り続ける。


ランプもチカチカと点滅続ける。



出るべきだよな?




< 368 / 800 >

この作品をシェア

pagetop