プラトニック・ラブ
迅の匂いがあたしを包む。
どうしてか分からないけど、この匂いは安心することができる。
そこであたしはハっとして、慌てて迅の上着をソファに投げつけた。
やべっと思って慌てて上着を取りに行くと、綺麗にたたんでソファの上に置いた。
と。
同時にまたまた鳴りだす音。
電話みたいな音だったらビビらないのに、このピルルルルッって音は恐怖を運んでくるのはなぜだろう。
「な…何の音…?」
ゆっくりと周囲を見渡す。
するとドアの方で何かがチカチカ光っていることに気づいた。
部屋が暗いせいでその奇妙に点滅する赤いランプが少し怖いけど、恐る恐る近寄ってみることにした。
「…電話?」
壁に電話のような物がくっ付いている。
普通こんなところに電話なんて設置しないから内線と予想できる。
音は未だ鳴り続ける。
ランプもチカチカと点滅続ける。
出るべきだよな?