君と私の特別
もういい。
忘れる。
そう自分に言い聞かせるように
何度も頭の中で唱えた
「バカじゃねぇの?」
たっくんに背中をむけて
教室に戻ろうと歩きだした瞬間
後ろから声がした
なんで?
バカってなによ‥
私は
私はもう縛っちゃいけないと思ったから言っただけなのに
「何も分かってねぇよ」
たっくんは続けてそう言った
心なしか、少し声が震えていたように感じた
何も分かってないことない
私は誰よりもたっくんのことを分かってる
少なくともさっきの女の子よりもずっとずっと分かってる
「そんなこと‥っ」