君と私の特別
「分かってねぇよ」
そんなことない
そう言おうとした私の言葉を遮ってたっくんは言った
「俺は昔っからお前だけが好きなんだよ」
そんなの嘘よ
だってたっくんは私に冷たいもの
私にだけ冷たいもの
「嘘つかないでよ!」
「嘘じゃねぇよ」
「嘘よ!
たっくんは私に冷たいじゃない
いつだって私にだけ冷たいじゃない
私にだけ笑ってくれないじゃない」
そうだよ――
私が笑ってくれるようにって
どれだけ努力したって
たっくんは笑ってくれなかったもん
みんなに向ける顔を
私にだけ向けてくれなかったもん
「それは‥」
ほら
言い返せないじゃん