マジで恋する10秒前!?

さよならのキス

「流雅・・・聞いて....」


サァァッ...―――――


校舎の中で一番空に近い屋上で、そよ風をあびて髪がさらさらとなびく。



すくっと立って流雅はあたしの前へ歩いてきた。


「聞くよ...ちゃんと聞くから話してみ?」


そう言って優しく微笑みながら、あたしの手をそっと握った。




―――「イタリアに引っ越すの...家族ごと。多分・・・もう流雅には会えないと思う。」



「・・・は!?」



流雅は目を丸くしてあたしを見つめていた。



言えた..やっと言えた....。




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