─仮面─偽りの微笑み

ぎゅっと俺の背中にしがみついた繭璃に、"はっ"とした。



かたく閉じられた瞼から、涙が流れ落ちていた。



「繭璃…」



涙を親指で拭い俺は、小さく泣いている彼女をそっと抱き締めた。



「ごめんな?…優しくしてやれなくて…辛かったか?」



ふるふると首を横に振り、ぎゅっと俺にしがみつく。



「わっ…わたし嬉しいんです…グスッ…だって…だって棗さんのこと、だっ、大好きだから…///」



無我夢中でしがみついた彼の背中、大好きな人と一つになるって、こんなにも幸せな気持ちになるんだ。



正直…身体は辛い…でも…それでも何故だか幸せ!と、棗の腕の中で繭璃はそう思っていた。



恥ずかしそうに頬を擦り寄せる繭璃。



「そんな可愛い事言うなよ…」



指を絡め繋いだ手をベッドに押さえつけ、柔らかく口づける。



ぷっくりとした唇を軽く何度か吸い、優しく唇を覆った。
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