─仮面─偽りの微笑み
棗と繭璃が乗り込んだエレベーターは、最上階を目指していた。
「あの…棗さん…さっきおじさんが渡したアレって…」
繭璃は恥ずかしげに棗を見上げた。
「あぁ…アレか?前にも見たことあるだろ?」
スーツのポケットから、すっと"カードキー"を取り出す。
「暢さんもこの件でお前を傷つけるのは解ってた…だからせめてものつもりでコレを用意したんだと…」
「伯父さん…」
「暢さんの事許せるか?それとも…こんなもんじゃごまかせられねぇ?」
ふるふると首を振り、潤ませた瞳を棗に向ける繭璃。
「いい子だ繭璃…聞き分けのいい子にはご褒美をあげないといけないな…」
すっと頬を撫で唇を寄せようとした時、エレベーターはお目当ての階へと到着した。