─仮面─偽りの微笑み
「な、棗さん…痛いっ!」
無言でグイグイと繭璃を引っ張る棗。
もう…一秒だって待っていられなかった。
甘い香りを漂わす繭璃…彼女は棗の思考を惑わし狂わす。
平然を装ってはいたが、狭い箱の中で棗は可笑しくなりそうだった。
傷つけた分優しくしてやりたい…そう思っていたのに…いざ彼女を目の前にすると理性すら吹き飛んでしまった。
「…優しくなんて…無理か…」
余裕の無い自分に苦笑しながら、棗は繭璃の手を強く引き部屋へと足を踏み入れた。
繭璃の肩を押し、壁に押さえつけた棗は、甘い香りに誘われるままにその愛らしい唇を覆った。
「むっ…ふッ…」
唇を開かせ舌をねじ込むと、歯列をなぞり荒々しく口内を舐めまわして、柔らかな舌を吸い上げた。
「ん……ッ…ぁ…ん…ん…」
「もっとご褒美ほしいだろ?」
身体の力が抜け、とろんとしながら棗に抱き上げられた繭璃。