─仮面─偽りの微笑み

―――…
――…



「今日はここまでな?」



最後に胸元に印をひとつ残して、棗はそう言った。



「えっ?…でもっ」



熱を帯びた繭璃の身体が、もっともっとといやらしく誘う。



(これ以上は限界だ…俺の理性がもたねー)


「少しずつ教えてやるよ…じゃねーと…」



ん?と可愛らしく小首を傾げる繭璃を見つめ俺は言った。



「めちゃくちゃに壊しそうだからな…」



「……つっ…///」


顔を真っ赤にし、上目遣いで俺を見る繭璃。


「それヤバいって…」


結構きてんだからこれ以上煽るなよ!



服のボタンをとめてやり、俺は繭璃を引き寄せ深く口づけた。



「ん…ふぅ…っ…んぁっ…ん…」



「ふっ…可愛い」



とろんとする繭璃を抱き締めながら、俺は暫しその甘く柔らかな感触を味わっていた。



「お前は俺のモノだ…」



棗の心を、今まで感じた事の無い何かが支配しようとしていた。
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