ヴァンパイアと私
夢を見た


小さい頃のあたしとその男の子が遊んでいた



『凛ちゃん!待ってよ』


『早く早くー!

__くん遅いよー!』



その男の子はとても綺麗な顔をしていた


でも、あたしの後ろを付いてきて「ヘタレ?」なんて思った



『あのね、凛ちゃん

大事な話があるんだ』


『?なぁに?』


あたしは小さい頃とても無邪気だったとお母さんが言っていた

そう、この頃まではあたしも信じて疑わなかった



――__くんはずっと、あたしと一緒ね?


――もちろん!
  だって、凛ちゃんは僕のなんだから!



そんな約束を信じていた


でも・・・

現実はそう甘くなかった

『僕、ね明日引っ越すんだ』

『え・・・?』


『だからこれで凛ちゃんとはさよならなんだ』



『いやっ!いやっ!

__くん、ずっと凛といるって言ってたじゃない!!』


『本当は僕だって嫌だ

凛ちゃんと離れたくない!!

僕が必ず凛ちゃんを迎えにいく


だから、待ってて?』


『うん、待つよ

絶対来てよね』

『うん』


< 20 / 23 >

この作品をシェア

pagetop