それが恋だと知ったから。
私の言葉に雛乃は目を見開いた。



「私はやりたい事とかない。
勉強は将来の為にしてるだけ。」



雛乃はクスクスと笑った。



「沙羅らしい!
沙羅が努力すればなれないものなんてないよ!」



ゆっくりでいいじゃん。



と付けたして。



「よし!できた!」



その言葉に私は顔を上げる。



「見たい?見たい?」



にやけながら鏡を渡してくる雛乃を無視して、
鏡で自分を見てみる。



「……。」



「ちょっと!何か言ってよ!」



何も言わない私に雛乃は焦ったように言った。
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