愛なんて知らない Ⅲ









私は微笑んだ





「死ぬ気なんだろ?」




私はただ微笑むだけ

お人形のようにただ微笑むだけ・・・・






「あの時から胸騒ぎがしたんだ

愛美が泣いていた時・・・・

あれは死のうとしてる目だった」





(もう何も言わないで・・・・)






「死ぬなら俺を殺せ」






「えっ」



私はここでやっと言葉にした

そして楓を見る






「死ぬなら殺せ

愛美のいない世界なんていらない」








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