滅 ―不良と不良の恋愛論―
「まぁ僕が名前聞いたからね。教えてくれるとは思わなかったけど。」
メガネも盗られたし、と言って苦笑いする藍。
「はぁ、アイツ名乗るために藍を連行したのかよ…。心臓に悪いな。藍の顔が悲惨になってくるかと思った。」
「珀の考え方が嫌だ。」
本気か本気じゃないのか分からない珀の言葉。
いつだって、珀は掴みどころがない人だ。
「てゆうか、僕さ、秋月漆夜に“女”って隠してる意味がないような…。」
「確かにな。アイツ、なぜか知ってるからなー。」