滅 ―不良と不良の恋愛論―




藍はフッと微笑む。



「僕は、この族を、みんなを失いたくはないからね。」



陰のあるその笑顔を
月明かりに照らされたその笑顔を


―――綺麗だ。

と、誰もが思った。




藍色の髪の毛。
それは



「藍の髪ってさ、優しい、優しい夜みたいだ。」


「はは。何それ。」




照れくさそうな表情の藍。



人を卑下せず
いつだって思い上がらない。

それはNo.1になってからも同じ。


だからこそ、みんなが藍について行くのだ。











そしてこの夜。


<滅-メツ->に戦いを挑んだ一つの族が、壊滅した。






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