滅 ―不良と不良の恋愛論―
「しっかし、コイツらもヘボだったな。俺の出る幕なし。」
「ヘタレーだまれー。」
二人は倒れている男を見下ろしながら話す。
倒れているこの男。
<滅-メツ->に奇襲をしかけ、まさに先程敗れた。
「まぁ僕の仲間は不意打ちに負けるほど弱くないし。」
「ほとんど藍が殺ってたくせに。」
奇襲をしかけてきたのは50人ほど。
だが、そのほとんどは藍が倒した。
「だってコイツら弱かったし。」
「女に弱いとか言われてんのコイツら。」
アハハッ、と珀は笑う。