♂見習いサンタ♀


『と、とりあえず病院行きましょうよ!!!』


『え!?スルー!?スルーなの!?キララ!!?』


『うるさい、カス』


『うぉ!!!毒舌健在!!』


2人で歩き始めたキララとジュンの襟元[えりもと]を俺は素早く掴んで動きを止めた


2人は不思議そうに首を傾げる


『どうしたんですか?』


キララが俺に向き直って問い掛けた


『……2つのグループに分かれよう』


俺の言葉にみんなが訳の分からないといった顔をする


『アキラとミユで俺達がこれから住む家を探してきてくれないか?』


人間界に来たばかりだから住む家が無い


しかも俺達は2週間近く人間界に居る事になる……


さすがに家無しはキツイ


アキラは黙って向きを変えて歩きだした


『ま、待って下さい!』


それにミユが続く


………しまったな


はたして、あの2人を一緒のグループにして大丈夫だったのか……


ミユは誰にでも気を使うからな………


俺が小さくなっていくミユの背中を見つめているとキララが俺の顔を覗き込んだ


……何だ?


『レオさんはいつもミユさんを気に掛けてますよね?』


そう言うキララは少し不服そうな顔をしている……様に見える








< 20 / 41 >

この作品をシェア

pagetop