♂見習いサンタ♀


『レオ……こ、これからどこに……』


ミユが心配そうに俺を見上げる


『黒いファイルを置いてきてしまったからな……』


俺はそう呟いて考え込んだ


いい案が浮かばない……


『ん?データってこれだろ?』


そう言ってジュンはポケットから紙切れを取り出す


それは黒いファイルの中に入れられていた女のデータだった


『お前…何でそれを……!』


『普通、何をするにもデータがいるだろ?だから……黒いファイルから抜いてきた』


ジュンが得意げに微笑んだのと同時にキララがジュンの持っていたデータを取る


『……まぁ、ジュンのお蔭で助かったんじゃないですか?』


『……キララが俺を褒めた!!?』


ジュンは目を丸くしている


どうやらかなり驚いたらしい……


実は俺も驚いていた


それもそのはずだ……ジュンにいつも意地悪しているキララが毒を吐かずに褒めたんだから


驚いている俺達を見てキララは眉を寄せた


『………エイプリルフールですよ』


『12月なのに!!?』


キララは自分の髪をいじりながら呟いた


それに直ぐさまジュンがツッコミを入れる


自分がジュンを褒めたという現実を嘘にしたかったらしい


分かりやすい嘘つくなよ……








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