♂見習いサンタ♀
ふと、大きな木の下で木を見上げている少女を見つけた
その瞳は何だか悲しそうにしている
俺はベンチから立ち上がって少女に近づいた
『何…してるの?』
俺はなるべく少女に笑顔で接したつもり
……なのに、少女は俺を見て眉間にシワを寄せた
『胡散臭い笑顔』
少女はそう呟いて再び木を見上げる
胡散臭い……か、
『そんな風に見える?』
俺がヘラッと笑いながら少女に問い掛けると、少女は驚いた様に目を見開いた
『……怒ら…ないの?』
『ん?別に?言葉の暴力はいつも受けてるしね』
……キララに
俺がそう言うと、少女は哀れんだ瞳で俺を見てくる
止めて、そんな目で見ないで、俺は決してマゾじゃない
『ところで…何してるの?』
俺は再び問い掛けた
少女はゆっくりと木を見上げて口を開く
今度は答えてくれる様だ