リフレイン〜2nd Season〜

「で…朱里は何て答えたワケ?」




あたしは水樹の質問に口ごもる。



「……まだ…元カレのことが忘れられないって言ったの。健太のことは良い仲間だって思ってるって…。だから…返事はまだ出来ないって言ったわ」




あたしはカクテルの入ったグラスを指でなぞった。




水樹…どう思ったのかしら…。




「んー、そっかぁ〜…。まぁいいんじゃない?まだ朱里も整理ついてないんでしょ?」




水樹はニコッと微笑むと、カクテルを一口飲んだ。




「え、えぇ…まだちょっと…ね……」




あたしは苦笑いをした。




一瞬…健太にキスされたことが頭をよぎった。




あたしは自分の唇を指でなぞってみる。




“好きなんだよ、朱里”




そう言った時の健太の表情がまだ、脳裏に焼き付いて離れない。




あんな健太…初めて見たわ。




いつもの馬鹿さなんて、欠片にも感じられなくて




何とも言えない男らしさが感じられた。





< 160 / 271 >

この作品をシェア

pagetop