執事と共にホワイトデーを。
「体調は、もう大丈夫なの」

「ええ、ご心配をお掛けいたしました」


恵理夜は、そっと目を伏せた。


「……もう、貴方まで、居なくならないで」


切実な、祈るような言葉だった。

春樹は、恵理夜の目線の先で、一息にいくつもの薬を飲み込んだ。

自分は心配要らないとでも言うように。

力強く喉仏を上下させた後、春樹は改めて恵理夜に水の入ったグラスを差し出した。
< 12 / 125 >

この作品をシェア

pagetop