AL†CE!
~The Last Promise~
盲目のルーキー
7月。
宮斗高校に入学してから3ヶ月が経った。
生活のリズムができてきて、
大地は毎日、部活のことばかり考えていた。
1番一緒にいるのは、
同じクラスの鈴村陵吾で、
まだ話したことのない奴は、部員の中にもたくさんいる。
全部で50人弱いる1年生部員全員を、
3ヶ月で覚えきるのは難しかった。
その中に1人、
部活が終わったあとは
誰よりも早く部室を出る者がいた。
「なぁ、あいつ、3年の野球のマネージャーと付き合ってるらしいぜ」
ある日、
その部員が部室を出たあとで、そんな話になった。
「3年!?」
「そう3年。やばくね?」
「え、誰?」
「あー知ってる、古賀ってひとだよ確か」
「かわいい!?」
「めっちゃ美人」
部員たちの興味本位の会話を聞きながら、
大地は黙々と着替えを進めていた。
「なぁ、大地あいつとチーム同じだろ?いつも何か言ってないの?」