AL†CE!
「わたしは恭ちゃんの…元彼の車に乗ったんだよ」
功は首をふる。
頭の中は真っ白だった。
「許さないって言ったよね。それでいいよ。わたしを許さないで」
「いいんだ…生きててくれれば俺はそれで…」
「功」
絢華は功の手を強くにぎった。
「今わたしの身体中にあるのは、
恭ちゃんと一緒に負った傷。
功じゃなくて、恭ちゃんの傷。
わたしはこの傷を負ったまま、
功のそばにはいれない。
幸せに笑えない。
どんな瞬間も
同じように苦しんでる恭ちゃんを忘れられない。
今、わたしには
功の隣にいる資格はないの」
功は首を降り続けている。
「功…」
絢華のそれは、
まるで小さなこどもをなだめるようだった。