AL†CE!

大地は、何か言葉を探して口を開いた。

「いや…すいません」
緊張してなぜか、謝ってしまった。

「ここで、有末佐柚って働いてますか?」

男が手を止めた。

功が、大地より一歩前に出る。

大地は功を止めようと腕をつかんだが、小さく振り払われた。

「キャストのプライバシーは守られますので」

男が下にはいているのはスーツのようだった。
白いシャツはだらしなく胸元がはだけ、そこから銀色のネックレスがのぞいていた。

よくあるマフィアの雰囲気で、大地は気圧されてしまった。

「お引き取り願えますか」
男は静かにそう言うと、再び店の中に消えようとした。


戸を開けて、止まった。

「…有末佐柚の、ダチか?」

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