年下王子は意地悪王子

「ば、馬鹿っ…！」



「ハッ。お前よりは賢い」



「そんなわけ…！」




ない。と言おうとした口を、ゆっくりと閉じ視線を下げた。




「何だよ。もう終わりか？」




ハッと鼻で笑う彼に、力無く下がった頭が重くなる。


そうだよ…


今思い出したけれど、一瀬くんってとっても。




「……っ…」




秀才なんだった―――。





で、でも！


さっきの馬鹿は、そうゆう意味で言ったんじゃないよ。


人間的に馬鹿って…意味………




「おい、どうし……」




あたしの顔を不敵な笑みを浮かべながら覗き込んだ彼の言葉が途切れ、少し目を見開いた。