ダイヤモンド


彼の首筋へと指を滑らせていく。



この肌に触れることができるのも最後…なの……?



切なさが押し寄せて止まない。




私のこと、忘れちゃうの…?




私の体温も


声も



何もかも忘れて




他の人と結婚しちゃうの…?






私の体に抱きついている彼の腕をのけて起き上がる。




すうっと肌に空気を感じた。




自分を見ると、一糸まとわぬ姿。



胸元からお腹にかけてキスマーク。



布団をめくってみると太股までキスマークは続いていた。


彼が勝手に脱がしたんだろう。



「………バカ…」





私の体にあなたの跡を残さないで…




早く忘れたいのに

忘れられなくなるじゃない…







彼に覆い被さるようにして、首筋にキスマークを残した…










< 36 / 139 >

この作品をシェア

pagetop