ダイヤモンド
彼の首筋へと指を滑らせていく。
この肌に触れることができるのも最後…なの……?
切なさが押し寄せて止まない。
私のこと、忘れちゃうの…?
私の体温も
声も
何もかも忘れて
他の人と結婚しちゃうの…?
私の体に抱きついている彼の腕をのけて起き上がる。
すうっと肌に空気を感じた。
自分を見ると、一糸まとわぬ姿。
胸元からお腹にかけてキスマーク。
布団をめくってみると太股までキスマークは続いていた。
彼が勝手に脱がしたんだろう。
「………バカ…」
私の体にあなたの跡を残さないで…
早く忘れたいのに
忘れられなくなるじゃない…
彼に覆い被さるようにして、首筋にキスマークを残した…