最初最後彼氏!
教室に戻ると、なぜか雄が教室に戻ってきていた。

「雄?戻ってくるの早かったね。なんかあった?」

軽く睨んでくる雄。

「ゆっ、雄・・・?」

「奈美。ちょっとこいよ。」

いつもならほとんどないけど強引に手を引いて空き教室のある方へ向かう。

手を引くのはいいんだけど・・・、痛い。

なんかした?あたし。

ガチャ、バタン。

カチャ・・・

えっ?今のカチャって鍵・・・閉めたの?

「奈美。お前どういう事だよ。」

「どういう事って・・・、なにが?」

あたしに背を向けて立っている雄。

「心当たりねぇってか。・・・ふざけんなよ!」

こんなに怒ってる雄なんて見たことない。

怖いよ・・・。

「お前にとって、俺ってなんなんだよ。ただの人形?彼氏だなんて思えないってか?」

「ちょっと待ってよ!いきなりで頭ついてかないし、意味わかんないよ!」

「俺にとって、お前の方がわかんねぇよ・・・。」

うつむいて苦笑いする雄。

「さっき、お前、修斗となにした。」

「なにって、修斗に来てって言われて着いていって・・・!?」

「思い出したか。アレ、屋上から丸見えだったぜ?・・・場所考えろよ。」

「あれは!修斗がいきなりキッ、キスしてきて・・・!」

「もう黙れよ。お前がそんな奴だとは思わなかったわ。」

お父さんに打たれるより、美奈に怒鳴られるより・・・、辛く、悲しい。

「本当なの!」

あたしは、ただ雄に信じてほしかった。

「もう、無理じゃね?俺、あんなん見て許せるほど心広くねぇから。」

あの言葉だけは

「やだっ!やだっ!・・・やだよっ!」

お願い

「俺達さ」

あたし、崩れちゃう

「別れよーぜ。」

・・・言わないでほしかった。

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