最初最後彼氏!
空き教室に着き、美奈が近くの席に座る。

あたしも美奈の近くに腰を下ろす。

「んで?どーしたの?」

真剣な表情で優しく話しかけてくれる美奈。

「美奈・・・。どうしよ・・・。」

「ん?」

「あたし・・・、雄じゃない人に・・・、キスされた・・・。」

美奈もビックリしてる。

そりゃあ、ビックリするよね。

「はっ?誰にされたの?」

一気に眉間にしわが寄る美奈。

なんか怖いなぁ・・・。

「修斗・・・。」

言った瞬間、目から大粒の涙が出てきた。

「修斗・・・って、斎藤のことだよね?あんた達仲良かったのに・・・。
ってもしかして・・・。」

そうだよ。修斗とあたしは仲のいい友達だもん。なのに・・・。

「前にさぁ、斎藤と高杉が幼なじみって言ってなかったっけ?」

「うん。」

あたし、修斗の幼なじみの雄の彼女なんだよ?

「高杉と斎藤か・・・、イケメン対決って感じ?」

イケメン対決?

「斎藤が奈美にキスしたって事は、斎藤って・・・。」

「修斗がなに?」

「・・・ううん!何でもない!それより、ちゃんとこのことは高杉にも言った方がいいよ?」

えっ・・・。言ったら雄が傷つくのに・・・?

「言えないよ・・・。あたし、雄のこと裏切らないって約束してるんだもん・・・。」

「言わないで、後で知った高杉はどう思う?ちゃんと言ってくれなかった、俺を信じてないのか、って落ち込むんじゃない?」

「ちがっ!あたし、雄のこと信じてる・・・!」

「だったらちゃんと言いなさい。」




やっぱり、美奈は頼りになるなぁ・・・。

一生、親友でいようね?

・・・なにがあっても。

あたしが雄と別れたとしても。
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