薔薇部屋
薔薇に血、棘、二十歳になって知ったこと…―笑ってしまうほど、子供だましなものばかり
しかし、世間知らずのミキにとっては特別なものばかりだったのだ
遠野が、たいしたことのない怪我を大袈裟にして、人差し指に包帯をぐるぐるに巻かれた
ミキは、自分の指の倍以上の大きさになった、その指を見て、思わず吹き出してしまった
「お嬢様!笑い事ではございません!」
本気で心配してくれている遠野がおかしくて、でも嬉しくてくすぐったい気持ちになる
しかし、ミキの指を見たことで、いつもは冷静な父親を焦らせてしまった事には、本当に反省した
「でも、ミキ…少しの傷であっても、ばい菌が…」
「お父様、少々棘で指を刺してしまっただけです。こんなので病院に行ったら、お医者様に叱られるわ」
どうにか説得し、思い止まってもらう事ができた
ミキの小さな指の傷をめぐった、怒涛の争いはやっと幕を閉じ、いつも通りのベッドの上での一人の時間が流れる…―ゆっくりと
しかし、世間知らずのミキにとっては特別なものばかりだったのだ
遠野が、たいしたことのない怪我を大袈裟にして、人差し指に包帯をぐるぐるに巻かれた
ミキは、自分の指の倍以上の大きさになった、その指を見て、思わず吹き出してしまった
「お嬢様!笑い事ではございません!」
本気で心配してくれている遠野がおかしくて、でも嬉しくてくすぐったい気持ちになる
しかし、ミキの指を見たことで、いつもは冷静な父親を焦らせてしまった事には、本当に反省した
「でも、ミキ…少しの傷であっても、ばい菌が…」
「お父様、少々棘で指を刺してしまっただけです。こんなので病院に行ったら、お医者様に叱られるわ」
どうにか説得し、思い止まってもらう事ができた
ミキの小さな指の傷をめぐった、怒涛の争いはやっと幕を閉じ、いつも通りのベッドの上での一人の時間が流れる…―ゆっくりと