薔薇部屋
その日、誕生日の夜、ユウジと遠野の3人で、大きいのだか小さいのだか分からない誕生日会が開かれた…―二十歳にもなって、と思ったりもしたが、ユウジと遠野が楽しそうだったためか、素直に楽しむことにした
「遠野、いつもミキをありがとう」
「あ、ありがとう、遠野さん」
遠野は、主役のミキではなく、自分に視線が向けられた事に驚き、戸惑っていた
「な、何をおっしゃいますか!こちらこそ、このような私を雇っていただき、大変光栄に思っております」
テーブルの上のろうそくが暗い部屋の中でゆっくりと揺らめく
誕生日会なんて子供じみた…なんて思っていたけれど、今のミキは立派な大人だ…―もう父親やハウスメイドの話が分からない子供ではない
ミキは改めて、この誕生日会が特別なものに思えた
「ミキ」
そんな感覚に浸りながら、ミキは口にケーキを運んでいると、突然ユウジから名を呼ばれた
「はい?お父様」
「誕生日おめでとう」
「え…―」
ユウジからの誕生日プレゼント…―ミキはその大きめの包みを、そっと大切に開いた
開かれたその中身は
真っ青な薔薇のブローチと、薔薇をモチーフにした、変わった形の花瓶…―でもミキは、薔薇を知らなかった
「お父様、これは花?」
「ん?…あぁ、そうだ。薔薇だ」
「薔薇……―綺麗ですわね」
その言葉に遠野は心底驚いた…―花嫌いのミキが薔薇に看取れていたからだ
変わっていくミキ
誕生日の夜は、幸せに過ぎていった
「遠野、いつもミキをありがとう」
「あ、ありがとう、遠野さん」
遠野は、主役のミキではなく、自分に視線が向けられた事に驚き、戸惑っていた
「な、何をおっしゃいますか!こちらこそ、このような私を雇っていただき、大変光栄に思っております」
テーブルの上のろうそくが暗い部屋の中でゆっくりと揺らめく
誕生日会なんて子供じみた…なんて思っていたけれど、今のミキは立派な大人だ…―もう父親やハウスメイドの話が分からない子供ではない
ミキは改めて、この誕生日会が特別なものに思えた
「ミキ」
そんな感覚に浸りながら、ミキは口にケーキを運んでいると、突然ユウジから名を呼ばれた
「はい?お父様」
「誕生日おめでとう」
「え…―」
ユウジからの誕生日プレゼント…―ミキはその大きめの包みを、そっと大切に開いた
開かれたその中身は
真っ青な薔薇のブローチと、薔薇をモチーフにした、変わった形の花瓶…―でもミキは、薔薇を知らなかった
「お父様、これは花?」
「ん?…あぁ、そうだ。薔薇だ」
「薔薇……―綺麗ですわね」
その言葉に遠野は心底驚いた…―花嫌いのミキが薔薇に看取れていたからだ
変わっていくミキ
誕生日の夜は、幸せに過ぎていった