車内☆恋愛
「ファーストキスかよ?」

「ハィ…」

「俺でよかったわけ?」


先輩は不安げにあたしを見た。

…啓くん………。

脳裏に啓くんの顔がよぎる。

あたしはそれを振り払った。


「先輩がよかった、んです」


あたしは微笑んだ。

先輩はフッと安心したように笑う。


「じゃあおやすみ」

「おやすみなさい…」


先輩はバイクにまたがり、

暗闇に消えていった。

……これでいいんだよね。

愛されたほうがいいんだから。
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