Secret*Hearts
「大切な話なんです。だから、少しだけでも時間をとってくださいませんか?」
「どんな大切な話であっても、貴方が華梨と関わらなければそれで全て解決するのよ。……ねぇちょっと!誰か早くこの子をここから追い出してちょうだい!!」
俺と話していてもらちがあかないと思ったのか、屋敷の奥に向かって華梨の母親は大きな声でそう叫ぶ。
「ただいま参ります、奥様!」と使用人らしき人の声が返ってきたのを確認し、彼女はほっとしたように微笑んだ。
「今後、二度と家の敷居を跨ぐことは許さないわ。」
そしてそう言い放ち、華梨の手を引いて階段の方へと足を向けようとする。
――あぁ。彼女にはまったく、俺たちの話を聞いてくれる気はないのだ。
これまでの華梨に対してもそうだったのであろうと容易に想像でき、華梨の苦労を痛いほど痛感した。
「ちょっとママっ!話を聞いてよ!」
「聞く必要なんて無いって言ってるじゃない!」
「おい。さっきから何を騒いでるんだ。はしたない。」
そんな中、俺たちが立っている場所から程近い部屋から出てきた男性が、苛立たしさを露わにしながら発した一言に、言い合っていた華梨と母親の動きが止まる。