Secret*Hearts
「あなた……」
「パパ、」
そしてふたりがほぼ同時にそう呟いたことにより、彼が華梨の父親であるのだとわかった。
それと同時に、彼の鋭い眼光が俺に向けられる。
「……誰だね?君は。」
若く見えるのに、相手を制圧するような威圧感が半端ない。
でも、ここで怯んではならないと、強く彼を見据えて言葉を放つ。
「華梨さんのクラスメイトの、蓮見憐です。今日は、華梨さんとのことでお話がしたく、お邪魔しました。」
「――ああ。きみが“憐”くんか。」
「はい。」
いたって普通の会話を交わしているだけなのに、俺への嫌悪感が痛いほど伝わってくる。ぶつかり合う視線をそらせないまま数十秒、夫がすぐに俺を追い出さないことに耐えられなくなったのか、華梨の母親が口を開いた。
「……あなた、何をしてらっしゃるの?さっさと追い出してちょうだい。華梨に悪影響だわ。」
……それにしても、今日初めて会うっていうのに、華梨の母親には散々な言われようだ。
別にこれと言って他人に自慢できるようなことは無いけれど、俺のことを何も知らない人からここまで言われるとさすがに悔しくなる。