―earthquake― 被災地から伝えたいこと



昨日から停電と断水が続いている。


まあ、長くて2日くらいでしょ

なんて思っていた。


少なくとも、このときまでは・・・


あんなに続くなんて・・・思ってもみなかったんだ――



その日は、パパと妹が2人で食糧調達と給水をしに行った。



あたしは何もする気が起きなくてずーっと家にこもっていた。


暇すぎてときどき家から出て周りを見渡してみたりもしてたけど・・・


ん?何だろう、あの行列・・・


商店街にすごい数の行列が出来ていた。


あたしはその行列が気になりながらもずっと家にいた。


家にいても、充電がなくなるからケータイはいじれないし、テレビもつかない・・・


結局、やることがなくて――


ボーッと1日を過ごしていた。



たまたま知り合いが来たので、昼間に商店街で見た行列のことを聞いてみた。


「ああ、商店街のお肉屋さんがボランティアでお惣菜を無料配布してるんだよ。だからあんなに並んでるんだ」


無料配布!?

すごい・・・

普通ならお金取るのに・・・

さすがだな・・・お肉屋さん!

これは町からの表彰を受けるべきだよ!


無料配布ということで早速あたしたちも家族揃ってお惣菜をもらいに行った。


しかもたまたま出来上がったばっかりだったらしく、全然並ばずにもらうことができた。


もらったのはお肉の炒めものだった。


空腹のあたしたちにはそれがものすごく美味しくて・・・


お肉屋さんに感謝しないと―・・・・・・



そう思った。




もう夕方―・・・・・・


また夜が来る―――








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