二人のおうち
 

「さあ、帰るか」
 

 
再び家具什器類を購入した二人は、後日部屋へ運び込んでもらうように手配し、少しの食材と必要最低限の物を持って、電車へ乗り込んだ。
 

 
「今度は車で行かないとな」
 

「洋ちゃん、車を持ってるの?」
 

「ああ。マンションの駐車場を借りないといけないんだけど、まだ大家から正式な連絡が来ていなくて置いてきたんだ」
 

 
沙帆は車という未知の所有物に感嘆の声を上げていた。暫くして、電車がマンションの最寄り駅に到着し、二人は荷物を抱えて帰宅した。
 

マンションに到着すると、エレベーターに乗り込む。
 

 
「沢山買ったね」
 

「明日からゆっくりと片付けないとな」
 

 
チン、と小粋な音がしてエレベーターのドアが開く。少ない荷物を持っている沙帆が部屋の鍵を開けて、洋太が入ってからドアを閉めた。
 

 
「ただいま!」
 

 
ちょうど、午後三時になった頃だった。
荷物をそっと放り出し、二人は日の当たるリビングに寝転んだ。
 

 
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