らっく!!~番外編~
「やっぱりこういうことって慣れるんですか…?」
私は少しだけ身を乗り出して尋ねた
『ん―…。人それぞれなんじゃない?わたしは慣れちゃったけど、美弦ちゃんは慣れそうにないよね~』
どうせ貧乏性ですよ…
『愁もそんなところがいいのかしら?』
お母様は運ばれてきたコーヒーを一口飲んだ
『少し…心配していたの。わたしは今のだんな様と結婚して幸せになれたけど愁にとっては辛いことも多かったから…わたしの幸せのために愁を犠牲にした気がしていたのね』
そう言うお母様は悲しそうに見えた
『でも…愁は愁の幸せを見つけていたみたいね…』
目を細めて私を見つめるお母様はやっぱり愁のお母さんなわけで…
私はなんだか心が温かくなった
「あの…良かったら聞かせて下さい。私の知らない愁の小さい頃のこと…」
お母様は少しだけ目を大きくしてそしてゆっくり微笑んだ
『いいわよ。喧嘩したときに役立てるようにたーくさん教えてあげるわ』
そして私はお母様の言葉通りに愁の話を沢山してもらった―…