桜の木の下で

わしはそれから桜乙女について、自分の過去について、唄についてを瑠璃に語り聞かせた。

話しを聞かせ終わると瑠璃は何故か言葉につまりながら話していた。

そしてしまいには泣き始めた。

「瑠璃・・・?何故泣いておる?」

「だって・・・あまりにも刹那が切ないから････百合さんの思いがあまりにも悲しくて・・・・」

わしが切ない?
百合の思いが悲しい?

この女は過去にまで思いを馳せて泣いているのだろうか?

「おぬし・・・わしを思って泣いておるのか・・・?」

「っ私なんかが泣いてごめんなさい･･･刹那が一番悲しいのに・・・本当にごめんなさい・・・・」

そう言ってまた泣き始めた瑠璃。

思わず抱きしめた。

愛おしい････

百合の魂だからだろうか････?
いや違うな････

瑠璃の人柄に惹かれているのだな。

わしは・・・3000年待ってよかったのかもしれぬな・・・