初恋フレーバー
「リンクー。
やったぁ
また同じクラスだねー」



その人物は

星野 千鶴(ほしの ちづる)

2人の中学からの

クラスメイトだった。



「なんだよ千鶴、
俺もいるんだけど…」



「あぁ淳も一緒なんだ」



素っ気ない

素振りの千鶴は、

青希の左横の

席に着いた。



「同じ高校に入って
同じクラスで、
しかも隣の席だなんて
赤い糸で結ばれて
るのかなぁ?
ねぇ?リンク?」



ハイテンションで

話す千鶴の声に、

窓際の少女は

少し振り向いた。



その瞬間、

青希と少女の目線が

交わった…



青希はすぐに

目をそらして

千鶴に言った。



「偶然だよ、
ただの偶然。
淳お前も何か言えよ」



青希の鼓動は

速度を上げていた。

ほんの一瞬

目が合っただけなのに…



淳は腕組みをし

1人頷きながら言った。



「まぁ千鶴は
前からリンクに
惚れてるからなぁ。
そろそろ付き合えば?
お二人さん?」




「お前どっちの味方
なんだよ…」



青希はため息をつき

前を向いた。



「淳ー、
いいこと言うねぇー」



「てかお前見てりゃ
そう言いたくも
なるだろ?
いったいコイツの
どこがいいんだ?」



2人の会話は聞こえない

ふりをして、

青希はまた

少女に目を向けていた。



そんな青希の横顔に、

千鶴は気づいた。



「ねぇリンク?
帰り3人で
ご飯食べようよ?」



「えっ?なに?」



青希は千鶴に

聞き返した。



「やっぱり何か
変だぞリンク…
どうしたんだ?」



観察するように

青希を見る

淳に千鶴は言う。



「何か気になることでも
あるんじゃない?」



そして、

千鶴は少女の方を

見た…
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