初恋フレーバー
「はい、
みんな席に着いて
下さい」



1人の教師が教壇に

立った。



「みなさん
入学おめでとう。
今日は後少しで
終わりですから、
少しだけ時間を
くださいね」



教師が連絡事項を

伝え終わると、

みんな一斉に

席を立った。



「リンク、淳、
さぁ行くよー」



千鶴は素早く

2人の腕をつかみ

歩き出した。

横目で窓際の

少女を見ながら…



下校した3人は

地元のファミレスに

寄っていた。



「はぁー、
お腹いっぱい。
なんか高校生って
いっきに大人に
なった気がするよね?」



「確かになぁ…
中学の時は
こうして帰りに
ファミレスなんて
寄ることなかったしなぁ。
なんかいいよな、
高校生って。
ところで千鶴…
お前もう食べないのか?」



淳の言葉に

青希もかぶせる。



「色気より食い気の
千鶴がどうしたんだ?
体調でも悪いのか?」



そんな2人に

千鶴はふくれてみせた。



「うん。
高校では部活しないし
気をつけないとねぇ…」



「えっ?
千鶴テニス部
入んないの?」



淳は意外そうに聞いた。



「うん。
高校生になったら
バイトしたり、
いろいろやりたいこと
あったしね」



青希が呟く。



「バイトかぁ…
なんか楽しそうだよな」



「じゃあさぁ3人で
何かバイト探そうぜ?」



淳は2人の顔を見た。



「何で3人なんだよ…」



青希の言葉を

無視して千鶴は言った。



「いいねぇ。
何のバイトする?」



2人がバイトの話で

盛り上がる中、

青希はあの少女の

事を思い出していた。



あの子は

どんな子なんだろ?

名前は?



少女のことを

考えるだけで、

青希の胸は

ざわついていた…
< 3 / 16 >

この作品をシェア

pagetop