あたしの愛、幾らで買いますか?
あたしは携帯のデジタル時計に

視線をやる。

今が6時半。

あと少しで朔羅に会える。

エリには、申し訳ないけれど

あたしは早く朔羅に会いたくて堪らない。


早く、会いたい。

早く、抱き締めたい。

早く、あの黒い瞳に見つめられたい。


今日こそは、

我が儘は封印しよう。

朔羅の隣で、ひたすら幸せを感じよう。


「歩美?
 予定あるんだっけ?
 時間平気?」


あたしの念が通じたのかと思った。

気の利くエリの事だ、

あたしがソワソワし始めて

変に思っただけだろう。


「あ…
 そろそろ時間かな」

「そっか!じゃ、出よう?」


あたし達は伝票を持って会計を済ませる。

ただ、なんか色々話すだけだったけど

楽しいの?

いまいち楽しさが見出せなかった。


きっと、あたしには


‘放課後友達と遊ぶ’


そんなのは、似合わないのだろう。




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