あたしの愛、幾らで買いますか?
初めて朔羅があたしを殴った日以来、

彼は時々あたしを殴る。

あたしが悪いから仕方がないのだけれど、

殴られるのは嫌いだけど

彼は殴った後、

必ずあたしを優しく抱き締めてくれる。


「ごめんね。あゆ…
 ごめんね…」


震える声で何度も何度も言う。

小さな子供が母親に謝っているようだった。

悪戯をして必死に謝る子供みたいだった。

そんな、彼を突き放す事なんて

あたしには到底無理。


だって、

朔羅は最後に、こう言うから。


「あゆ…
 俺を一人にしないで?」


だから、あたしは

今にも泣き出しそうな彼を

ギュっと抱き締める。

体中痛くたって、

有りっ丈の力で彼を抱き締める。


『あたしは、ここに居るよ』


そう伝えるかのように

抱き締める。


そして、

あたしのアザは

ひとつ、

ふたつ、

みっつ…


薄くなっては新しく出来る。

アザは少しずつ増えていった。

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