あたしの愛、幾らで買いますか?
しばらく車を走らせる彼は

機嫌が良いらしく

鼻歌を歌っている。

そして、

赤信号になると

あたしの髪を撫でたり、

あたしの頬に唇をあてたりする。

とても甘い時間が過ぎる。


「朔羅?」

「ん?」

「なんで、
 今日は白い車なの?」


こんな普通の会話なのに

あたしは少しだけ緊張する。


今まで

そんな事なかったのに。

初めて朔羅と会話をしていて

楽しくないと思った瞬間だ。


「は…?」


あたしの唐突な質問で

彼は少しだけ顔を歪める。


「…聞いたら…
 ダメだった?」


-殴られるかもしれない-

そんな恐怖にあたしの体は

小さく震える。

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