星の哀歌
「このお店、とってもかわいいですね」

アタシが食器のかわいさに気を取られていると、美紀は店員さんに声をかけた

美紀はどんなときも物怖じないで積極的でうらやましい

「ありがとうございます。小さいけど、やっと出せたお店なんですよ」

「え? このお店、店員さんのお店なんですか?」

「はい。つい一カ月前にオープンしました」

アタシも、美紀もびっくりしていた

若くて、とてもお店を持てちゃうほどの歳には見えないから
せいぜい二十代前半くらいに見える

「そんなに若いのにすごいですね」

アタシが素直に感心していうと、

「いいえ、もうとっくに三十路越えで、すっかりおじさんですよ」

キレイに笑ったその顔はどう見てももそんな歳には見えない

アタシたちは二度もびっくりした

< 10 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop