これは、事実
予感

「明日ついに卒業式かー…先輩と別れるなんて寂しいな…」
「……そうだね」
2011年3月11日。
私たちは、一つの別れを迎えようとしていた。
それは、先輩…3年生の卒業。
「どうしたの遥、なんか浮かない顔して」
「…何でもない…」
実は私には、何かの直感がある。
今もこれから何か起こるような…そんな感じがしていた。
「もしかして…いつもの直感?」
「えッ?」
さすが親友の和子。ズバリ当てられて私はドキッとした。
「な、何でもないよ」
「…じゃあいいけど…。遥の直感は何かと当たるし、ちょっと不安」
「だ、大丈夫だよ」
「この前停電になった時も、水道止まった時も遥の直感働いたし、あと私の好きな人に彼女が出来た時も」
「は、はは…」
「とにかく、遥の直感は当たるから怖いのよ」
「わかったよ。でも今はホントに何でもないから……」
そう、私の直感は当たるからこそ、今は隠さなきゃいけない。
だって明日は特別な日。
大好きな先輩が卒業する日なんだから…。
そんな大事なおめでたい日に、何か起こすワケには……。
『2年生は、式場準備を開始します。全員、体育館に集合して下さい』
突如、放送がかかる。
「ほら、私たちじゃん、行こ?」
「……そうだね」
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