これは、事実
集会の内容は、生存確認と、明日の卒業式の予定。
どうやらうちの学年は全員無事のようだった。
卒業式は、やっぱり短縮して行う予定。余震が起こるのを見越して、早く帰らせる為。
体育館の天井は、教師全員で卒業式ができる程度には直したらしい。
私が思ってたよりも、立派に卒業式はできるみたいで、ホッとした。
よかった、先輩…。
後片付けもあるかと思ってたけど、それは教師で何とかするみたいで、私たちは思ったより早く帰ることができた。
集会室を出て、人がほとんどいなくなったころ。
「和子!」
私は帰ろうとしていた和子を呼び止めた。
「……遥」
「ゴメン、和子」
「…え?ちょ、遥…」
「私、間違ってたよ。和子正しかった。先輩に気持ち伝えて、ちゃんとケジメつけたい……!」
「遥…」
和子は私に手を差し出した。
「わ…こ…?」
「よかった…遥が自分でそう決めたんだね…」
「…そうだよ…」
「…後悔、しないでね……?」
「うん…!」
差し出されたその手を、私は握りしめた。
もう、手放したりしないように。
私のこと自分のことのように考えてくれる大切な友達……。
和子。
私の友達でいてくれて、ありがとう。


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